デイヴィド・クレイグ / コンサルタントの危ない流儀 集金マシーンの赤裸々な内幕を語る

 僕にはブックオフのビジネス書コーナーという地球上で最も意識の低いであろう場所で本を買いまくる悪癖のようなものがあり、そこでたまたま手に取った一冊。コンサルタントとして華麗なる経歴を持つ筆者が、虚業としてのコンサルタントの内幕や、その手口について語った一冊。

 よく似た業界で働いていたことがあるにしても、コンサルタントという業界の実際はまったく知らないので、どこまでが事実に則しているのかはよくわからないが(カルロス・カスタネダは言い過ぎにしても、いささか盛っているのではなかろうか)、スキャンダル誌でもめくるような塩梅で面白く読めた。

 コンサルタントがいかにして企業に取り入っていくのかにフォーカスした章もあり、そのプロセスがわりあいに具体的に語られていくのだが、暴露本の形を取りながらも具体的なコンサルティングのテクニックを紹介しており、実用的かどうかはともかく、真っ当なビジネス書としても読める。

 もうずいぶん前の本なので情報も古そうだし、さすがにこれ一冊読んで「コンサルはクソだぜ!」と知ったかぶりするのもどうかと思うが、ビジネス読み物として非常に面白い本だった。古本の値段が手頃なのもグッド。

(2007年 日経BP社 ★★★★★)