スパイラル:ソウ オールリセット / ダーレン・リン・バウズマン

 無職でヒマだったので観た。

 叙述トリックを使った作品を紹介するときに「この作品は叙述トリックだ」と言ってしまうと既にネタバレを喰らうのと同様に、ソウシリーズを観るときには「ドンデン返しのプロットを作ろうとしている」というのが明らかなので、いい加減そういう自縄自縛をどうにかしたらどうだろうと思うのだが、未だに続けているのはそれを期待している観客がおり、実際儲かるからなのだろう。

 このシリーズを初めて観るのであればそれなりのどんでん返しになっているような気もするが、そうでなければいつものように、シリーズを重ねるにつれどんどん納得感の失われていく奇妙な殺人ピタゴラスイッチと、より納得感のないストーリーのナンバリングタイトルを観せられるだけだ。

 シリーズ通して追いかけている身としてはどうしても惰性で観てしまうが、率直に言って観るに値するのは1、2、頑張って3までだろう(当時3からクソ映画化が始まったと思っていたが、今観るとその後のシリーズが酷すぎて相対的にマシに見える)。

 正直もっとも驚いたのはストーリーなどではなく、マジシャンのクリス・ラムゼイが出演していたことで、思わず巻き戻しで確認した後ネットで調べてしまった。