★★★★☆

ジグソウ:ソウ・レガシー / ザ・スピエリッグ・ブラザーズ

Netflixで観た。 このシリーズ、3以降はぜんぜん面白くねえなと思いながら一抹の期待と義務感と惰性で観ているため、ほとんど内容を覚えておらずファイナルに至ってはもう観たかどうかすら記憶が曖昧なくらいで、まあいいかと思い見始めたのだが、これは結構…

伴名練 / なめらかな世界と、その敵

書店で装丁を見てたぶん面白いんだろうなと思って買ってみたが、やはり面白かった。こんなこと言いたくないのだがかつて大学の頃に夢中になって読んだ伊藤計劃と読後感がほとんど同じで、なんだかとても懐かしい気持ちになった。具体的に何が似ているのかと…

アダム・ウィンガード / サプライズ

Netflixでマイリストしてあったのでなんとなく観た。個人的にはなかなかお気に入りの映画。 『13日の金曜日』シリーズでもっとも好きな作品が『13日の金曜日 PART 7 / 新しい恐怖』で、これはファイナル・ガールである超能力少女にジェイソンが手も足も出ず…

タネリ・ムストネン / サマー・ヴェンデッタ

暇つぶしに借りてきて観た。ネットのレビューはかなり酷評に近いものが多いが、そうした評価を下したくなる気持ちはわからないでもない。 二転三転する展開は観客の予想を裏切ってやろうという意図が明らかで(にも関わらずトレイラーの段階でネタバレしてし…

クリストファー・ランドン / ゾンビーワールドへようこそ

ビール飲みながらなんとなく観ていたが、けっこう面白い映画だった。ゾンビ×コメディ×青春(しかも童貞)というあまりにもベタベタで手垢がつきすぎてもう黄ばんでるぜそれ、みたいな内容ではあったが、くだらないジョークの連発でゲラゲラ笑いながら気分よ…

佐々木敦 / 「4分33秒」論——「音楽」とは何か

佐々木敦という方はアカデミズムに対する恋慕とかコンプレックスを隠さず、現代音楽とかコンセプチュアル・アートのような分野を題材にしてツギハギのパッチワークでそれっぽいことを書く腕利きの音楽ライターという印象で、この本も概ねそんなような内容だ…

村上春樹 / Carver's Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選

むかしから村上春樹が好きでよく読んでいる。多くの読書好きがそうであるように、彼の小説やエッセイなんかをあますところなく読んだ後は、彼が影響を受けたと思しき英米圏の作家を読むようになるのだが、どういうわけだか彼の好きな作家というのは、僕には…

パク・ミンギュ / 亡き王女のためのパヴァーヌ

読んでいる途中で「もしかしてこれ『君が望む永遠』か?」と思い、実際に読み進めてみると半分は当たりだったわけだが、それよりも近いのは『リトルバスターズ!』の方であった。 この喩えが理解できる人はもはや老境に差しかかっているだろう。お陰でとても…