2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ロベルト・ジョビー / カード・カレッジ・ライター

ロベルト・ジョビーの『カード・カレッジ・ライター』の完訳。こうした本を翻訳、出版してくれる方々は本当に尊いと思う。僕らのようなアマチュア・マジシャンはいくらギャランティやチップを稼いでいようが、結局やっているのは他人の真似事ばかりで、偉そ…

A・A・ミルン / クマのプーさん、プー横町にたった家

先日『プーと大人になった僕』を観に行ったのだが、ミルンの原作もまったく読んだことがないし、ディズニーのアニメすら全く知らなかったので、ウサギやらカンガルーやらフクロウやら未知のキャラクターが登場してきて「なんじゃこりゃ」状態で、それでも面…

マーク・ダグラス / ゾーン 相場心理学入門

僕自身はトレーダーではないし、それに類する投資も全くやらない。もしかするとこの先いつか手を出すこともあるかのかもしれないが、今のところその予定はない。にも関わらずこの本を読んだのは、単純な知的興味からである。 ほとんど知識がなくファンダメン…

セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ / 誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性

めちゃくちゃな希死念慮に襲われるたびにGoogleの検索ボックスに「死にたい」と意味もなく打ち込み、検索結果のページを眺めては溜息をつくということを繰り返していたことがあるのだが、ある時期を境にして検索結果に「こころの健康相談統一ダイヤル」なる…

デイヴィド・クレイグ / コンサルタントの危ない流儀 集金マシーンの赤裸々な内幕を語る

僕にはブックオフのビジネス書コーナーという地球上で最も意識の低いであろう場所で本を買いまくる悪癖のようなものがあり、そこでたまたま手に取った一冊。コンサルタントとして華麗なる経歴を持つ筆者が、虚業としてのコンサルタントの内幕や、その手口に…

ランベルト・バーヴァ / ザ・トーチャー 拷問人

僕が大学生くらいの頃にホラー秘宝というキングレコードのホラー映画専門レーベルがあって(まだあるっぽい)、古いカルト映画や低予算ホラー映画を定期的にリリースしていたのだが、その頃に観ようと思いつつ放置した一本。 口から猿轡を吐きだし磔にされた…

ミラン・トドロヴィッチ / ゾーン・オブ・ザ・デッド

もう10年くらい前のゾンビ映画で、大学生くらいの頃に観ようと思ってずっと放置していた。何故かゲオで見かけて急に観ようという気になって借りてきた。 さすがにもう古めの低予算映画なのでテンポが悪く、エンジンがかかるまで30分くらい掛かることは確かな…

高木重朗 / カードマジック事典

マジック愛好家の間ではその名を知らない人はいないくらいの名著で、カードマジックを学ぶならこの本をまず買えとアドバイスされることも多いのだが、ネットで「カードマジック事典 おすすめ」と検索をかけてみても名作以外の有用な情報が出てこないあたり、…

ジョー・チエン / ゾンビ・ファイト・クラブ

いやあ。てんでダメな映画というわけじゃないんですよ。わりとアクションとか戦闘シーンは頑張っているんですよね。女優もみんな美女揃いだし。 狭いマンション内(?)でゾンビをボッコボッコ素手で殴り倒していく(ゾンビこれだけ殴り殺すのは珍しいのでは…

中田考 / みんなちがって、みんなダメ

書店で刺激的なタイトルに惹かれて面白そうだなと思い手に取った本。ところどころで蒙を啓かれる部分も多かったが、読み終えてみてあんまり愉快な本ではなかったことは確か。 たとえば社会そのものに満遍なく西洋近代思想のイデオロギーが浸透しており、それ…

クリストファー・ランドン / ゾンビーワールドへようこそ

ビール飲みながらなんとなく観ていたが、けっこう面白い映画だった。ゾンビ×コメディ×青春(しかも童貞)というあまりにもベタベタで手垢がつきすぎてもう黄ばんでるぜそれ、みたいな内容ではあったが、くだらないジョークの連発でゲラゲラ笑いながら気分よ…

佐々木敦 / 「4分33秒」論——「音楽」とは何か

佐々木敦という方はアカデミズムに対する恋慕とかコンプレックスを隠さず、現代音楽とかコンセプチュアル・アートのような分野を題材にしてツギハギのパッチワークでそれっぽいことを書く腕利きの音楽ライターという印象で、この本も概ねそんなような内容だ…

サリー・ボンジャース / わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと

この種のスピリチュアル本はほとんどの場合、覚者(グル)が覚醒までのプロセスやメソッドを提示する、というのが基本的なパターンなのだが、この本はそうしたいわゆるカリスマ的なグルではなく、むしろグルに指導されている側の、市井の人々が何らかのきっ…